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​文:永麻理

八月は・・

今日の東京は夏の空。

長かった梅雨、関東地方もやっと明けました。

昨日まではセミの声もまるで夏の終わりのように聴こえて

いましたけど、今日は元気に鳴いています。



今年は第二次世界大戦での日本の敗戦から75年になります。


昭和20(1945)年8月15日。

「終戦」という言い方もありますが、

父がそうであったように、ここは「敗戦」と言う方が

私はしっくりきます。

戦争が終わった、というだけでなく

無謀な戦いを続けた日本が負けた、負けを認めた日。

そのことはぼやかさずに記憶に留めておきたいのです。


8月はじめの《ろくすけごろく》

この詩は2015年、敗戦から70年の時に書いたものです。

75年経った今、あらためて。





あの年の八月十五日

森の中の国民学校校庭

ポツンとラジオがおいてあった


耐え難きを耐え 忍び難きを忍ぶ声だった

不安そうな大人たちが囁いて ラジオは切られた


八月は 六日 九日 十五日

僕の気持ちで言うと 三月十日の東京大空襲

六月二十三日の沖縄も・・・


過去・現在・未来を貫く音があると知り

流れ星の音がききたい


生命と生命が出逢い やがて別れることを知り

男と女のかもし出す音

赤い糸の切れる音


戦争を知らない子供達が

すっかり大人達になった


七十年の歴史

言葉の中には数字

歴史もまた数字の世界

数字はことば

ことばは思想

数字は思想


七十年のいま


死にはするが 殺したり殺されたりはしない

殺したり殺されたりはしない

殺したり殺されたりはしない



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